2021.02.18(the)

ほとんど表には出さない出していない葛藤を、わずかでも知っている他者からするとその年齢の"女性"にしては落ち着いているねと問われて、深掘りをしても構わない人間だからさらに問えば子を持つことに対する焦りはないのかと、まあそのような話題へ移る。結果としてこの他者、ある意味では同類のこの人間との関わりを濃厚にできたのでよしとする。わたしは、わたしの精神的な要因、性別にまつわる割り切れなさ以外にどうしようもない肉体の欠陥のおかげであの実父母にもつながる血を残さなくてよく、しかも悲劇の繰り返しなどということも起こさなくてよい。これは皮肉にも思えるし皮肉だと感じたこともあるが、幸福なのです。わたしに兄弟がいないのと同じような意味での、幸福。あのような実父母ですから、小説や映画にありそうな知らされていない兄弟姉妹の存在を、まったく否定することはできかねますが、それでもわたしは、やはりこのつらさや苦しみを味わうのがわたしだけでよかったと感じるのです。独り占めできているのだぞなどという、おかしな優越感だとしても、よかったのです。