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凪いでいる、とは違う。そんな牧歌的ではない。どこかに、死角か、影が、もしかしたら足元から滲み出るように、緊張がある。緊張、なの?ピリっとした、目視可能なモノでいえば、ピアノのなか。の、ピアノ線。これは夢?幻覚?とってもあったかいの、と、手を伸ばしたらコーヒーが倒れた。ほんのすこし安心に近い他者だった。違うのよ。ぐ、と飲み込み続けたらきちんとおとなしいのね。ほんとかな?このようなときに心理検査ですって。主治医が変わって即、やあねえ。入院はごめん、就業不可もごめん。認められることは、救いなの。給与の額は、わたしの価値。労働による評価なしの生活に意味はあるの?他者には休んでと、きっとまやかしだからね。言えるのに、わたしはわたしが許せない。だらしがないんだから仕方ないわ。律しなくちゃ。