2022観たやつ 上半期篇
今回はいつもの自動筆記擬き、ではなく、せっかく元気になってきたのだから映画も積極的に摂取しよう!という今年のテーマのひとつの、上半期(一月~六月)のまとめです。
◇◇◇
◇一月
一月だけなぜかメモのデータが飛んでしまっていた。
が、今年一本目が『真田幸村の謀略』だったことはほとんど間違いない。
公開期間が過ぎたためか、今は非公開になっているが東映時代劇YouTubeで観た。正月は時代劇を観ようという雰囲気が高まる&スタッフの一覧に横尾忠則の名前があったので選択。横尾忠則のイラストは冒頭に少しだけだったがよかった。じっくり見たいのだがどこで見られるだろうか……。この時代の効果音が好き。かっこよいシーンが盛りだくさん。こういう映画もとても好き。
以下、二月以降はメモを頼りに羅列していく。
""内はメモ書き当時の感想であり、その下に振り返りながら書き足していきたいことが出てくれば書き足しておく。
また、●印がついているものは初見。印のないものは何度か見たことのあるものとする。
◇二月
『アリス』
"シュヴァンクマイエルは最高ってことを再確認するための定期鑑賞 最高です"
ルイス・キャロルが10歳の少女に語って聞かせた話がもとになったとされている、少女の冒険譚にはさまざまなかたちがあるけれど、映画ではヤン・シュヴァンクマイエルのアリスが一番好き。
『犬鳴村』●
"ノーマルで見たらたぶん普通にまあまあ好きな部類"
"演出はホラーだけどホラーか?好きなテーマです よい"
勧められてのやつ。恐怖回避ばーじょんをまず観てから、ノーマルを観たために感想らしきメモがふたつ残っている。ホラー耐性は高くないはずだが犬鳴村、というオカルト好きにはたまらない題材だったのでエフェクトが邪魔に感じてしまったため即座にノーマルバージョンを観たのだった。この作品における犬鳴村の成立の解釈はオカルトでは珍しくないというかありがちな成り立ちだが、細かなシーンがとてもよかった。たとえば物語の舞台をジオラマで見せてくるとこ、記録ビデオを流す際に白シャツに重ねて流すとこなんかが好き。
『仄暗い水の底から』
"これ以上の和製ホラーはないよ いつ見てもしばらくトイレを我慢するくらい怖い"
じっとりとした尾を引く怖さ。もの悲しい気持ち。美しくも恐ろしい、そういうのが好きなわたしにはたまらない映画。ただとにかく怖い。観終わってからしばらくずっと怖い。
◇三月
"手元に置いといてしばしば読み返したい詩集のような映画 いつ見ても好きだ"
『ミラノカリブロ9』●
"キャプションを読んでこれは好みだと判断した自分の嗅覚を信じてよかった 終始かっこいい でもちょっと字幕少なくない?訳し足らないことがないか?という意味で"
かっこいい音楽に合わせてかっこいい男と車が出てくるって冒頭がよすぎる。結末もよい。ただやはり字幕は訳し足らない気がする。日伊の言葉の違いなんだろうか、役者の話している分量と字幕の分量がかなり違っているような点が引っかかった。しかしとにかくかっこいい映画だ。
『KCIA 南山の部長たち』●
"事実を基にしたフィクションだと冒頭で注意されるが こういう事実があるだけでもやっぱり近くて遠い国だなあと呆然としちゃう"
『ダゴン』●
"いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!結構グロい"
『悪人伝』●
"時々ホラーのような視点になるからドキッとする よかった ハリウッドリメイクするらしいが出来るのだろうか……結末がかなり変わりそう"
ホラーのような視点。どのような視点なのかはうまくいえないのだが、韓国映画の視点は粘っこいような湿っぽいような感じが多い印象がある。そこもとてもよい。
『パラサイト 半地下の家族』●
"たくましく美しい家族だったな……と余韻に浸らせてくれないのか!意外にも爽やかかも"
勧められたかよかったと聞いたかして観た映画。ラストは、韓国ものにしては、すっきりしていた。貧富の差がここまで明確だといっそすがすがしいのかもしれない。
『ファイト・クラブ』
"ラストシーン以外は最高の映画"
最後にそこに立つのはその二人ではないと言い続けていきたい。
『魅せられて』●
"村上春樹を読めていた頃ならハマったかもしれないしハマらなかったかもしれない 19歳のリヴ・タイラーは美しかった"
この年齢この時期だからこそ読める本、というものがあって、そのひとつがわたしにとっては村上春樹だ。10代の頃は寄り添ってくれる良き小説であった数々は20代以降、得も言われぬ違和感をしか与えてくれない。そういう映画だった。ただ小説と違って映像なので、美しさを摂取することはできた。
◇四月
『鬼火』●
"エリック・サティの曲が使われていると聞いて ラディゲに感銘を受けたような時期に観なくてよかったかもしれない よい映画"
10代の頃に観ていたら、これは映像としてのラディゲだ!なんて言い出しかねなかったと思われる。
『雨月物語』●
"こういうのがほんとうにすき"
◇五月
『黒の魂』●
"わたし好みの要素を詰め込んだ映画 とてもとてもよい ピアノでいう黒鍵多めな薄暗い弦楽器の音が多用されているだろう音楽もよい"
本邦向けのポスターの惹句がイマイチで観るのを躊躇ったことを後悔した映画のひとつ。カッコよかった。もっとカッコよく宣伝してほしい。
『フレンチ・ディスパッチ』●
"『ダージリン急行』の監督と聞いて すき!よい!となる仕掛がいっぱい "
『武器人間』●
"とんでもないものを観てしまった……後半の怒涛のグロがsawシリーズの比じゃない"
あまり下調べをせずに映画を観るという癖がよい効き目を発揮した映画のひとつ。戦争ものと思わせてSFと思わせてからの怒涛のグロ。何度も見たくはないがよい映画かつ好みである。
◇六月
『ミッドナイト・ガイズ』●
"笑えるし泣けるし最高 今年どころか今まで観てよかったやつイチニを争うレベル とてもとてもよい"
これはほんとうに最高の映画だ。
◇◇◇
以上18本。まずはひと月に最低でも一本、という目標を守れたので下半期もこの調子でやっていきたい。そして、これはいいぞという映画があったらぜひ教えてほしいです。自分の嗅覚を頼りにしているとどうしたって偏りが出るので、わたしはオススメされるという行為がとても嬉しい。